10年に一度のチャンス?南極観測船「しらせ」を見学してきました

南極観測船「しらせ」を正面から見た姿 お出かけ

月末になると自宅の郵便受けに、まちの広報が届けられます。

イベント情報などが、よく掲載されています。

「何かやっているかな」と、いつものようにパラパラとめくっていたら、一枚のチラシに目がとまりました。

私の住んでいるまちの港に、南極観測船「しらせ」がやってくるというのです。

しかも、船内を見学できるイベントが、開催されるというではないですか。

私も夫も、この「見学」というものが大好きです。それに「無料」です。

「これはもう行くしかないよね!」ということで、夫と二人、連れ立って見学に行ってきました。

「しらせ」ってどんな船

南極観測船「しらせ」正面からの姿

現在の「しらせ」は2代目に当たるそうです。南極観測船としては4代目。

海上自衛隊に所属している「砕氷艦(さいひょうかん)」とのこと。自衛隊の船だとは、知りませんでした。

「砕氷艦」とは、水面の氷を砕きながら進む船のことで、「しらせ」は南極大陸に向け、海面の氷を砕きながら進んでいきます。1.5メートル以上の厚い氷は、船を一旦200〜300メートル後退させ、最大馬力で前進し、氷に乗り上げ、船の重さで氷を砕くそうです。

氷を砕きながらなので、1日に一キロメートルしか進めないこともあるそう。南極に着くまでには、かなり時間がかかりそうですね。ペンギンの方が、速いみたいです。

大きさは、船内で配布されていたパンフレットによれば

  • 長さ:138メートル
  • 幅 : 28メートル
  • 定員:175名


とあります。数字で見ると、かなり大きな船だということがわかります。実際に見たときも大きかった!!

横からの姿をカメラに収めようとしたところ、1枚では収まりきれませんでした。

「しらせ」の任務は、「物資や人員を運ぶ」こと、「南極地域観測の協力や支援」をすることだそうです。

たくさんの物資と人を乗せて、毎年11月に日本を出航し、南極へ向かいます。その期間は、5ヶ月間におよぶのだとか。

現在(2023年9月)は、訓練を行いながら日本各地の港を訪れ、船内の一般公開も行なっています。

ちなみに、わがまちに寄港したのは、10年ぶりでした。

私たち夫婦、もちろん10年前にも見学に行っております(笑)

見学の様子

最初は受付へ

「しらせ」が停泊している場所へ直接いくことはできず、シャトルバスが出ていました。

受付を済ませてから、バスに乗っていくのですが、その受付の前にはすでに行列が。

ほかにも私たちみたいな人が、たくさんいたようです。「しらせ」、大人気ですね。

受付では名前と住所の記入免許証などでの本人確認がありました。

受付が終わると、番号の書かれたリストバンドを、手首に巻いてもらいます。このリストバンド、なかなか丈夫な紙でできており、はずす時はちょっと大変でした。

見学が終わり、帰りのバスを降りるまで、リストバンドを外さないよう注意がありました。

そのあと持ち物検査があり、ようやくバスに乗って「しらせ」のところまで向かうことができます。

いよいよ「しらせ」へ

船にはタラップを登って入ります。タラップの入り口で、自衛隊の方に迎えられました。

見学するルートは、あらかじめ決められていて、順番どおり進んでいくようになっています。

見学するポイントでは、自衛隊の方が案内をしておられるので、気になることがあれば、質問することができます。実際に南極に行ったときのお話も、聞くことができますよ。これは嬉しかったです。

船に入ってすぐ、頭上にはこんなものが。避難用のボートかな?

頭上に吊り下げられた避難ボート

船尾の甲板エリア

最初は、船尾の甲板へ。ここはヘリポートになっています。「しらせ」にはヘリコプターも搭載されていますが、この日はどこかへ行っているようで、みることができませんでした。ちょっと残念です。

船尾の甲板には、「南極の石」が展示されていました。見た目は身近にある普通の石と、そんなに変わらないみたいです。

南極の石が並んでいる

ヘリポートのそばに、ヘリの格納庫があるのですが、その中には「南極の氷」の体験コーナーが。

氷を実際にさわってみても大丈夫とのことで、さっそく手で感触を確かめてみました。

ツルツルした手触りで、私は、冷たさをそんなに感じませんでした。耳を近づけてみると、「パチパチ」と、かすかに音がします。

これは氷の中に閉じ込められた空気が、氷が溶けることで、外に出ていく時の音だそうです。

「どれくらい昔の空気なんだろう。」と思って調べてみたら、何万年も前のものでした。

そんな大昔の空気に触れることができたんだと思うと、なんだか不思議な感じがします。

これが南極の氷です↓

南極の氷が容器に入っている

船首の甲板エリア

次は船首の方へ移動します。

船の横の通路を歩きながら海面をのぞいてみたら、結構な高さにいることがわかりました。高いところが苦手な人は、海面は見ない方がよいかもしれません。ちなみに、うちの夫は決してのぞこうとしませんでしたよ。

移動する途中に、スタンプを押せるコーナーがあります。

パンフレットの裏が、スタンプを押せるようになっていて、「しらせ」のスタンプを2種類押すことができます。

私たちも、2種類押しました。

船首の甲板下は、大きな貨物庫になっているそうです。そばには荷物を吊り上げる、大きなクレーンがありました。

南極観測船「しらせの荷物を吊り上げるクレーン

「しらせ」は日本を出航して直接南極に向かうのではなく。一度オーストラリアに寄港して、それから南極へ向かうのだそう。

オーストラリアを出航してからは、3か月の旅だそうです。たくさんの乗組員の食料などを積み込むには、やはり大きな貨物庫は必要ですね。

船内へ

次は船内を見学です。せまい階段を登っていくと、操舵室(船を操縦するための部屋)に入ることができました。

コンパス、海図が見れる大きな台、いろいろな機械、計器類があり、興味津々で、見てまわりました。

機械にはさわれないよう、テープが貼ってあります。

南極観測船「しらせ」操舵室内の機械

なんと、操縦席に座らせてもらえるのですが、小さいお子さんにまじって列に並ぶ勇気はなく、座るのはあきらめました(笑)。

操舵室を見学し終えたら、船室のある方へ。

食堂や、隊員さんの部屋を見学しました。といっても、中に入ることはできず、外から部屋の中を眺めるだけでしたが。

食堂の中の様子です↓

南極観測船「しらせ」食堂の様子

狭い廊下の左右に、たくさんの部屋が並んでいました。

隊員さんのお部屋↓

南極観測船「しらせ」隊員の部屋

こんなところも。すぐ出動できそうです。

南極観測船「しらせ」緊急出動用の装備

一番おどろいたのが、神棚があったこと。なぜかお賽銭箱もありました。夫がお賽銭を入れようとしたら、すでに、たくさんお賽銭が入っていたそうです。

南極観測船「しらせ」の船室エリアにある神棚

船室を出たら、また狭い階段を、今度は降りていきます。

外に出たら見学は終了となりました。

その後、船の周囲をまわって、たくさん写真を撮りました。

約1時間ほどの見学だったようです。

終わりに

普段は見ることのできない南極観測船「しらせ」

今回は2度目でしたが、前回から時間がたっていることもあり、また新鮮な気持ちで、見学することができました。

南極観測の貴重なお話を聞くこともできましたし、よい経験になりました。

会場には、たくさんの親子連れが来ていました。大人ひとりで、という方も。
年配のご夫婦も、いらっしゃいました。

どんな年齢の方でも楽しめるイベントなんだなと思いました。

「しらせ」がまたこの街にやってくることがあったら、その時はまた見学に行くつもりです。

その時まで、元気でいたいものです。

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