実は毒がある変わりもの。今年も彼岸花が咲きました。

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今年も彼岸花(ヒガンバナ)が咲いているのを見つけました。職場の駐車場よこの空き地に、突然姿を現したからです。数日前まで、何もなかったはずなのに、です。毎年、気がつけばそこに咲いています。

「そうか、もうそんな時期なんだな〜。」などと考えながら花を眺めていたら、なんとなく違和感を感じます。「なんでだろう?」しばらく考えて気づきました。

そうか!彼岸花には葉がないのです。

どうして花だけが咲いていて、葉がないのでしょうか?

なんとも風変わりなこの花。どんな植物なのか気になります。

彼岸花ってどんな花?

彼岸花は中国原産の多年草で、球根植物です。日本に生えているものは染色体が変化していて、種をつくることができないのです。なので分球して増えていくようです。

「彼岸花」の名前の由来は、文字どおり「お彼岸」のころに花を咲かせるから

またその他の説として、「彼岸花を食べてしまったら、あとはもうあの世「彼岸」に行くしかない。」という、なんとも恐ろしい由来もあるそうです。

別名で、曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれています。仏教からきた名前だそうです。お釈迦様が「法華経」というお経を説かれたとき、天から降ってきた花が曼珠沙華だったとか。

ほかにも、その地域だけの呼び名がたくさんあるようで、「葬式花(そうしきばな)」、死人花(しびとばな)」、「地獄花(じごくばな)」など、どれも不吉なイメージのものが多いです。

実は彼岸花には、花、葉、球根と、すべてに毒があるそうで、そういった不吉な名前も、そこからきているのかもしれませんね。

田んぼのあぜ道などでよく見かけるのは、毒のある彼岸花を植えることで、ネズミやモグラ、虫などから稲を守るためだそう。墓場によく植えられているのも同じ理由で、遺体を害獣から守るためでした。

毒のある球根には、デンプンが含まれているので、飢饉のときには、毒抜きをして食べられていたこともあるそうです。昔から人々が生活している側に、ずっとあった植物なのですね。

なぜ花が咲いているのに、葉はないのか

さて、かんじんの「なぜ花が咲いているのに、葉はないのか?」ですが、葉は花が終わったあとに、伸びてくるのだそう。彼岸花は、葉が茂った状態のまま冬を越し、春になって梅雨をむかえる前に、地上部は枯れてしまいます。夏の間は休眠していて、彼岸のころになったら、また茎をのばしてきて花を咲かせるのです。突然あらわれるように感じるのも、そういった生態だからなのでした。

ほかの植物が葉をおとす冬に、葉を茂らせる彼岸花。変わり者ですが、太陽の光を有利に浴びるための戦略なのかもしれません。

花が終わると、もう彼岸花のことは、忘れてしまいます。葉が伸びてきたら、おそらく、その姿を見ているはずなのです。でも彼岸花の葉だと、気づくことはありません。

「せっかく葉が出ているのに、見逃している。」

そう考えると、どんな葉が出てくるのか、ちょっと見てみたくなりました。ちょうど職場の駐車場で観察することができますから、気をつけてみようと思います。「ちゃんとそのことを覚えていたら」なのですが。(笑)

彼岸花の楽しみ方

白いヒガンバナが咲いている様子

彼岸花といえば、わたしは赤い花しか知りませんでしたが、最近は品種改良によって、白や、黄、ピンクなど、ほかの色もあるようです。人の品種改良にかける情熱って、すごいですね。

ちなみに、あの大人気漫画にでてくる「青い彼岸花」は、残念ながら現実世界にはないようです。(笑)

ネットなどで球根や苗を手に入れることができるので、自分で育てることもできます。育て方は、そう難しくないので、初心者にも向いている花のようです。地植えにするなら、そんなに手間もかからないみたいです。

自宅で色とりどりの彼岸花を育てるのも楽しそうですが、全国には彼岸花の名所がたくさんあるようです。一面に咲いた彼岸花は美しいでしょうね。機会があれば、行ってみたいです。

全国の彼岸花の名所は、こちらのサイトを参考にしてみてくださいね。

いろいろな楽しみ方がありますが、やっぱりわたしは、田んぼのあぜ道で群生している様子を見るのが好きです。子供の頃の原風景を思いだすからでしょう。

秋の訪れを感じさせてくれる彼岸花。そろそろ見ごろを迎えるころだと思います。

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