いざ文章を書こうとしても言葉がでてこなくて、スマホやパソコンの前で固まってしまう。
こんなことが、よくあるのです。
LINEやメールの返信をするだけでも、ものすご〜く時間がかかってしまいます(汗)。
「よくそれでブログを始めようと思いましたね?」
そのツッコミはごもっともです。わたしもそう思います。
だからこそ、なんとか楽に文章を書けるようになりたい。
常々そう考えていたところ、そんな悩みを解決できそうな本を、見つけることができました。
タイトルは「20歳の自分に受けさせたい文章講義」です。
この本について
この本を書かれた古賀史健(こが ふみたけ)さんは、これまで100冊ほどの本を手掛けてこられた、ベテランのライターさんです。
あの超べストセラーの「嫌われる勇気」を、岸見一郎さんと共著された方でもあります。
この本は、古賀さんが単独で書かれた、最初の本になります。
2012年に初版が発行されてから、今年2023年に第32冊が発行されており、ずっと読まれ続けている本だということがわかります。
この本は、いわゆる「文章術」について書かれた本です。
「話せるのに書けない」人のために、「書けるようになるための文章術」を教える。
それがテーマになっています。
なぜ文章が書けないのか
「文章の苦手な人が悩んでいるのは「話せるのにかけない!」というもどかしさなのだ。」
この一文を読んで、「そうそう、それなのよ!」って思いました。まさにこれが、わたしの悩みなんです。
では、どうして書けないのでしょう?理由はなんなのか。
その答えは、「書こうとするから、書けないのだ」とあります。
う〜ん。そう言われましても、よくわかりません。どういうことなのかと、さらに読み進めていきます。
「わたし達のあたまの中には、まだ言葉になっていない感情や思いが、うずまいている。」
ああ、たしかにそんな感じがあります。
そのことを古賀さんは、「ぐるぐる」と表現されています。まさにピッタリな言葉だと思いました。
その「ぐるぐる」を伝わる言葉に変換していく。つまり「翻訳する」のだそうです。
「翻訳する」ことの重要性は、この本のはじめに、ガイダンスとして語られています。
われわれは、自分という人間の”翻訳者”になってこそ、そして言いたいことの”翻訳者”になってこそ、ようやく万人に伝わる文章を書くことができる。
20歳の自分に受けさせたい文章講義、34ページ
書けない人に足りないのは、”翻訳”の意識であり、技術なのだ。
言われてみれば、言葉になっていないものを、いきなり書こうとしても、書けないのは当然ですよね。
わたしが書けなかった理由が、これでようやく理解できました。
よくわからないんだけど、伝えたいことはある。でもうまく言葉で表現できない。
この悩みを解決する答えが、この本にはあります。
まず身につけるべきは「翻訳する」技術であること。では、どうやってそれを身につけていけばよいのか。
その具体的な方法も、しっかり教えてくれています。
さらに、文章を書く技術は、伝えるためだけのものではなく、「自分をを深く知るためのツールであるのではないか」とも感じました。
どのように文章を書いたらいいのか
ガイダンスで文章を書くことの意味を理解したら、つぎはいよいよ良い文章を書くための技術の講義がはじまります。
実際に「どう文章を書いていくか」というところですね。
- 読みやすい文章の書き方
- 文章の構成の考え方
- だれに向けて書いていくのか
- 文章を書いたあと、どう見直したらよいのか
など。古賀さんがライターとしての経験から、これまで身につけてこられたノウハウを、惜しみなく提供されています。
なかでも古賀さんならではの視点だと感じたのは、「読者を説得する」のではなく、「納得させるのだ」というところ。
自分の思いを伝えるとき、ついわかってほしいという思いが強くなって、押し付けがましくなってしまいがちです。
押し付けられれば、反発したくなるもの。そんな文章は、私も読みたくない。
まずは読者に「読んでみよう」と思ってもらう必要があり、それから自分の思いを伝え、納得してもらう。
文章を書く技術は、そのためにあるのだと理解することができました。
また、自分の思いは、「あくまで主観」であること。だからこそ「論理的でなければならない」と、この本全体を通して主張されています。
これこそが、伝わる文章を書くうえでの、基本となるものだと感じました。
また、よい文章を書くのに、「文才は必要ない」とおっしゃています。
文才が必要だとしたら、良い文を書けるのは、ごく限られた人だけになってしまいます。
そのような才能を、持ち合わせていない私などには、とうてい不可能です。
でも技術を身につけることさえできれば、良い文章を書けるのなら、希望を持つことができます。
そのための努力が必要なことは、いうまでもありませんが。
この本を読むことで、文章を書く現場で培われた、本当に使えるノウハウを学ぶことができました。
終わりに
本編を読み終わった後、「あれっ、もしかして」と、あることを感じたのです。
その後、あとがきを読んで、「やっぱりそうだったのか」と、確信しました。
この本自体が、この本で語られている「文章術」で書かれているのです。
その効果は、わたしの心の変化に現れていました。
読み終わったあと、
「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」を、わたしも書いてみたい。
そう思ったのです。
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