稲垣えみ子さんといえば、テレビでよくお見かけすることがあります。
「アフロヘアのあの方」で、わかるのではないですかね。
たまたま、稲垣さんの暮らしぶりを紹介する番組を見ることがあり、その番組での超ミニマムな生活スタイルに、たいへん驚愕いたしました。(°▽°)
私を含め、令和の時代を生きる大多数の人たちとは、真逆の生活スタイルなんです!!
いったいどうして、そんな暮らしをしているのか?すごく興味が湧いてきました。
たまたま本屋さんでこの本を見かけ、ぜひその理由を知りたくて、手に取ってみたのです。
便利をなくして、家事がラクになった?
稲垣さんの暮らしぶりは、とにかく最小限のモノしか持たない生活です。「そこまでやるの?」って思うくらい。
タオルなんて、1枚しかないんですよ!!
でも暮らしはちゃんと回っているのです。
極めつけは、冷蔵庫に洗濯機、掃除機といった、現代生活には必須だと思われる家電を、全部、処分されたこと。
これには本当に、びっくりしました。
家電がない生活って、どう考えても不便だし、大変だとしか思えないんですが…。
稲垣さん自身も、そう思っていたそうなんです。しかし予想に反して、この生活で「家事がラクになった」し、家事そのものが「楽しくなった」のだとか。
凡人の私には、にわかに信じがたいことであります。
実はこの超ミニマムな「家事ラク生活」は、狙ってやっているのではなく、たまたまそうせざるをえない状況になったため、始めたのだそう。
以前は、たくさんのモノに囲まれた暮らしをしていたようです。その時は家事が大嫌いだったみたい。
家電を処分したのは、節電生活がきっかけなのだとか。
いや〜。節電生活の行き着く先が、「家電の全捨て」なんて。稲垣さん、絶対にタダモノではないですね〜(笑)
便利さを追求してきたけれど
さて、わが暮らしぶりを振り返ってみれば、結婚当初は、確かにはそこまでモノは多くなかったと思います。
それから子供が産まれて成長するにつれ、「これが必要」「あれが必要」だと、モノがどんどん増えていきました。
子育てに、家事に、仕事と、日々忙しい生活を少しでもラクにするべく、家電など、なるべく便利そうな物を選ぶようにしていました。もちろん最新のものを。
それで、家事がラクになったかと言われれば、相変わらず大変なまま。むしろますます大変になっているかもしれません。
家を購入して住む面積が広くなってから、余計にそう感じるようになったと思います。
やはりモノの多さに原因があるんだろうなと思います。
何を持っているのかすら、分かっておらず、まったく管理できていないのです。
ところで、便利家電とか言われるモノって、結局そのメンテナンスをする必要があるから、かえって面倒じゃないですか?
実はわたし、最近そう思うようになりまして。( ̄∇ ̄)
だって、便利を買ったつもりが、もれなく面倒もついてくるんですよ!!
「思ってたのと違う」ってなりますよね?
なんだか騙されてるような気がするのは…う〜ん。私だけなんですかねえ…。
「ラク家事生活」の可能性
ものが少なければ、それにかける手間も減る。手間が減るから家事もラクになる。
考えてみれば、しごく単純なことというか、当たり前のことなんですよね。
思えば今まで、ずいぶん無駄な労力とお金を費やしてきたものだと、あらためて考えさせられました。
ところで、この超ミニマム生活。「家事がラクになる」だけではなく、現代ならではの様々な問題を解決することができると、稲垣さんは言います。
「老後問題」も「あらゆる災害」も、「インフレリスク」にも対応可能なんだとか。
『とにかく暮らしを小さくしておくこと。自分の面倒は自分で見れる家事力を身につけることが大事』
「家事がすべてを解決する」とは、なんとも大胆な意見だと思いますが、あながち的外れなことでもないんじゃないかと思います。
何が起こるかわからない、先が見えない世の中。これから先、この豊かで便利な暮らしが続かないかもしれないと、多くの人が不安を感じているのではないでしょうか。
でも、もし今より豊かではない世の中になったとして、変わらず小さな暮らしをしてさえいれば、そう大きなダメージは、受けなくてもすむのかもしれません。
とくに「老後問題」については、私も大いにうなずけるところがありました。
たくさんのモノに囲まれ、しかも家事に手間がかかりすぎる生活を、歳をとってからも続けることは、たぶん難しいでしょうね、しかも認知症になってしまったとしたら、ますます難くなる。
今までできていたことが、どんどんできなくなっていくのは、とてもつらいことだと思います。
でも家事をラクで、あまり手間のかからないものにしておけば、たとえ認知症になったとしても、できるだけ長く、自分の力だけで暮らしていけるかもしれない。
これは、確かにそうかもなあと思いました。実際、そのような研究データもあるそうです。
それに「自分ができること」があれば、少なくとも身体が動くあいだは、自尊心を失わずにいられるのではないでしょうか。
人の手を借りないと生活できなくなった、私の母を見ていると、時々そう感じることがありますから。
やはり老後を自立して生きるためにも、暮らしはサイズダウンする必要がありそうですね。
「ゆっくり片付けよう」なんて、のんきなことを考えていましたが、「さっさと終わらせないと、ヤバイかな〜」って少々危機感を感じております(汗)。
「ラク家事生活」を始めよう
この本全体をとおして、「ラク家事生活」の素晴らしさが語られています。
稲垣さん、「ラク家事生活」オススメされていますが、全然押し付けがましくなく、とてもユーモアのある語り口なので、楽しく読むことができました。
稲垣さん自身、この暮らしを本当に楽しんでいる様子が伝わってきます。
そして、この生活を続けているうちに、すごい境地に達しておられるようです。
それにしても、ここまで突き抜けた暮らしをしている稲垣さんは、もう神の領域としか思えません。
でもなんだかんだ言って、この「ラク家事生活」、すごく魅力的なのです。
稲垣さんレベルはちょっと無理でも、「ラク家事生活」始めてみようかな。
そう思える一冊でした。
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